【サラリーマン養蜂】第4話 内検
【解説】
蜂の巣箱の中を確認することを「内検」といいます。
字の如く、巣箱の中を検査するという意味です。
内検は養蜂の基本的な作業で、ほぼ毎回確認します。
内検は燻煙器を使って、煙で蜂を大人しくさせながら行います。
内検の仕方や、入念にチェックするかなどは、その時期やミツバチたちの様子を見て判断します。
内検で確認すること
内検で確認することは多くありますが、代表的なものをご紹介します。
分蜂していないか
分蜂してしまったかどうかは巣の状態やミツバチたちの様子を見て確認します。
巣に王台がたくさんできていた場合は、分蜂してしまった可能性が高いです。
そういった場合には、女王蜂がいるかどうか、巣を1枚ずつ全て確認します。
女王蜂がいなければ、分蜂しています。
分蜂していない場合は、王台をちぎって、分蜂を阻止します。
産卵はしているか
女王蜂は冬以外は基本的に産卵し続け、働きバチたちをどんどん増やします。
その産卵の状態を確認し、スペースが足りなそうであれば新しい巣礎を入れたり、逆に多すぎる場合は減らしたりします。
ちなみに私の場合、女王蜂がいるかいないかは卵が産んであるかで判断することが多いです。卵が産んであれば女王蜂は巣のどこかにいると判断しています。
蜜は貯めているか
蜜を全く貯めていないと餓死する危険があります。
特に越冬前の秋頃は巣に蜜が貯まっていないと、蜂たちが冬の間に食べる蜜が無くなり、餓死してしまいます。
そうならないように花が咲いていない時期には花蜜の代わりに蜂用の飼料を与える必要があります。
【よくある質問 Q&A】
内検のとき、分蜂していたらどうするの?
他の群と合同する、もしくは、そのままにしておきます。
分蜂してしまっても、新しい女王蜂が生まれて、通常通り群が成り立てば問題ありません。
時期によってはそれも可能ですが、上手くいかないことも多いです。
新しい女王蜂では無理だと判断した場合、他のミツバチの群と合同してしまいます。
働きバチたちは自分たちの女王蜂が変わっても、群として成り立つことができます。
内検で1番大事なことはなに?
ミツバチが元気でいるかどうかです
ミツバチ数匹が体調が悪そうだったり、死んでいたりしても大して問題はありません。
しかし、軍の大半がダニにやられていたり、スズメバチと争った形跡があったりした場合、それぞれに対する対策を考えなくてはなりません。
何より養蜂家は蜂と共存しているため、ミツバチたちの健康管理が最も重要です。
できるだけミツバチたちが暮らしやすい環境や、状態を作り出してあげることが養蜂家として重要な役割になってきます。
日頃から蜂たちの様子をよく観察していないと異常に気づかない事態になりかねないため、内検はとても大切な作業です。